世界的ベストセラー小説を初映画化した「ノルウェイの森」(トラン・アン・ユン監督)が11日、初日を迎え、幅広い世代の観客が訪れる好スタートを切った。日本を皮切りに世界50カ国・地域で上映される同作では、世界進出第1弾として、主演の松山ケンイチ(25)が15日の台湾プレミアに参加することが決定。この日、都内で舞台あいさつに立った松ケンは、「(映画の良さは)観れば分かる」と自信を見せた。
作家、村上春樹氏(61)の原作発売から23年の時を経て、実写映画版が全国312スクリーンで封切られた。松ケンファンの若い女性からカップル、原作ファンの40~50代男女ら幅広い世代が駆けつけ、大盛況だった。
東京・有楽町のTOHOシネマズスカラ座に登壇した松山は、超満員の客席を見渡して「ここに立つと、みなさんがいろんな表情をしているのが見えます。この映画から、いろんなものを感じてくれたんだなとホッとしています」とあいさつ。主演の重責を果たし胸をなで下ろした。
司会者から作品の手応えを聞かれると、「観てもらえれば分かる」ときっぱり。場内から巻き起こる拍手には、「きっと、みなさんに分かってもらえたんだと思います」と自信に満ちた口調で感謝。松山が注いだ情熱の大きさが、言葉になって表れた。
大学生、ワタナベ(松山)と恋人を自殺で亡くした直子(菊地凛子=29)、ワタナベと同級生の緑(水原希子=20)を軸に、若者の恋愛を描いた物語。国内小説歴代1位の1095万部を売り上げた大ベストセラーが原作だけに、松ケンには大きなプレッシャーがのしかかった。が、“座長”として共演者を引っ張り、撮影後は自己最多となる200媒体以上の取材を受けた。その努力が自信となった。
36言語に翻訳された原作同様、欧州、アジアを中心に実写映画としては異例の50カ国・地域で上映が決定。その第1弾として、15日に行われる台湾プレミアで、松山が舞台あいさつすることになった。ベトナム系フランス人のユン監督も、フランス、ベトナムで舞台あいさつに立つ予定で、世界公開を盛り上げる。
「僕らは本当に大ヒットするつもりで、やっています。それだけ自信があります」と松ケン。目指すは、原作に負けない世界的大ヒットだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101212-00000030-sanspo-ent
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