大昔、10の太陽が一度に空に現れたことがありました。大地は荒れ果て、海は干上がり、人々は暮らしを立てることすらできなくなりました。このころ后(ゲイ)という勇敢な若者がいました。その力は万斤の宝の弓を引くことができ、どのように恐ろしい獣でも射ることができたといいます。彼は人々の苦しむ様子を見て宝の弓と神の矢を持って一気に九つの太陽を射落としました。最後の太陽は許しを乞い、后が怒りを静め弓を納めて、太陽に人々のために決まった時間に昇り、沈んでいくことを約束させました。
很久以前,天空中出现了10个太阳。大地荒芜、海川干涸,民不聊生。这时,一个叫后羿的年轻勇者站了出来。他力大无比,能拉动万斤重的宝弓,再凶猛的野兽也逃不过他的箭。后羿看到了人们痛苦的样子,手持宝弓与神箭,一口气射落了九个太阳。最后一个太阳向后羿乞求宽恕,后羿平息愤怒收起了弓箭,与太阳约定,让其顺从民意定时升起、西沉。
后の名前は天下にとどろき、人々は彼を敬いました。その後彼は嫦娥(じょうが)という娘を嫁に取りました。嫦娥はとても美しく、そして穏やかで、聡明な女性でした。二人の仲はむつまじく、幸せに暮らしていました。とくに嫦娥は心やさしく、常々夫の狩ってきた獲物をみなに分け与えており、人望も厚いものがありました。そしてみなは、后はよい嫁をもらったとうわさしておりました。
后羿名满天下,受到了百姓的尊敬。后来,后羿娶了嫦娥,嫦娥非常美貌,是个性格沉稳、聪明伶俐的女子。两人琴瑟和谐、生活幸福。尤其是嫦娥心地善良,经常将丈夫打到的猎物分给大家,深受百姓爱戴。大家交声称赞,说后羿娶了个好妻子。
ある日、狩の途中で后は一人の年老いた道士に出会いました。老道士は后の人となりに感服し、一包みの不老長寿の薬を与えたのでした。この薬を飲めば不老長寿を得ることができ、天に上り仙人になることができるのです。しかし后は妻や自分の周りの人々とはなれて一人天に赴こうとは思いませんでした。家に帰ると不老長寿の薬を嫦娥に渡し、つづらの中にしまわせたのでした。
有一天,在狩猎的途中,后羿遇到了一个年迈的道士。老道士钦佩后羿的为人,赠予他一包长生不老药。吃了这个药以后,人就能长生不老、升天成仙。但是,后羿不愿升天与妻子和众人分离。回家以后后羿将长生不老药交给了嫦娥,收进了衣柜里。
このころ、后のもとには、彼の威名をしたって多くの人たちが集まっていました。その仲に蓬蒙(ほうもう)という悪賢いものがおりました。蓬蒙は不老長寿の薬を奪い、自分で飲んで仙人になろうと考えたのです。
那时,后羿的身边聚集了不少仰慕他威名而来的人。其中,有一个叫蓬蒙的狡猾之徒,算计着把不老药夺过来吃了以后成仙。
その歳の8月15日 后は弟子たちを連れて狩に出かけていました。夕暮れ前に蓬蒙はひそかに戻り、嫦娥の部屋に忍び込み不老長寿の薬を渡すよう嫦娥に迫ったのです。嫦娥はやむにやまれず薬を全部飲んでしいました。すると彼女の体は突然軽くなり、窓を抜け出し、一直線に空高く舞い上がったのです。しかし彼女の夫を思う気持ちは強く、地上から一番近い月に彼女は降り立ちました。
那一年的8月15日,后羿带着弟子们外出狩猎。傍晚前,蓬蒙一个人偷偷溜了回来,悄悄潜入了嫦娥的房间,威胁嫦娥让她把不老药叫出来。嫦娥被逼无奈将药都吞了下去。之后,嫦娥的身体突然变得轻飘飘,冲出了窗口,向天空飞去。然而,由于嫦娥牵挂着丈夫,便落在了离地面最近的月亮上。
后が家に戻ったとき、すでに妻・嫦娥の姿は見えませんでした。侍女の話でようやく后は事の次第を知ったのでした。急いで外に出て月を見てみると、、月はいつもよりも丸く、いつもよりも輝いて見えました。それは愛する妻が自分を見守ってくれているようでもありました。彼は覚悟を決めて月を追いかけました。しかしどうしても月にたどり着くことはできません。后は妻を思うと心張り裂けんばかりでした。彼は庭に嫦娥の好きだった果物などをおき、彼女を祭りました。近くの人たちもそれにならい、果物をのせたテーブルを供え心やさしい嫦娥をしのんだのでした。
后羿回家以后以不见嫦娥的身影。听了侍女的话后羿终于知道了前因后果,连忙跑出去望月亮,发现今天的月亮格外的圆、格外的亮。后羿想到这是妻子正守护着自己,他下定决心追赶月亮,却怎么也追不上月亮。后羿只要想到妻子就心痛欲绝。他在院子里放上了嫦娥爱吃的水果来遥祭她。周围的人也纷纷效仿,在香案上摆上水果怀念嫦娥。
次の年の8月15日夜。この日も月は特別に丸く、明るく輝いていました。そして后はこの日も果物をたくさん置いたテーブルを月明かりの元に供えて妻を思ったのです。それが毎年続き、世間にも伝わり、8月15日が中秋であったことから中秋節としてお祭りするようになったということです。
第二年的8月15日晚上,这一天的月亮也特别圆、特别亮。后羿在这天也桌子上摆上了水果,在月光下供奉,怀念妻子。之后后羿每一年都会这么做,也在世间广为流传,因为8月15日这天是中秋,所以拜月作为中秋节的习俗被流传下来。
月の月宮に入った嫦娥ですが、彼女は日々夫を思い、故郷を思いどのようなご馳走も美しい舞も彼女の心を和ませることはできなかったといいます。毎年8月15日、嫦娥は宮城の門の外に出て、はるか地上の故郷を眺めるのでした。この彼女の美しいその顔が、月を、さらにさらに輝かせ、さらに丸く見せるのだということです。
住进了月宫的嫦娥,每日思念着丈夫、思念着故乡,再美味的佳肴、再动人的舞蹈都无法平复她的心情。每年的8月15日,嫦娥都会来到宫门外,眺望地面上遥远的故乡。她美丽的容颜,让月光越发皎洁,月亮看起来也更圆。
|