ロンドンの下町に住む花売り娘・イライザがヒギンズ教授の特訓で社交界の華に生まれ変わり、やがてふたりに愛が芽生えるというシンデレラストーリー。時代を超えて、現在でも世界中で愛されている不朽の名作「マイ・フェア・レディ」が、10月に博多座で8年ぶりに上演される。21日、福岡市内で記者取材会が行われ、主演の大地真央が意気込みを語った。
博多座公演の初日である10月18日に、東宝ミュージカル出演 2300回を迎える大地真央。「マイ・フェア・レディ」のイライザ役は1990年の帝国劇場公演から演じており、10月29日の昼の部にはイライザ主演600回を達成する。そして20年目の節目である今年、ついにイライザ役に終止符を打つことになった。
「大切な、大事な、大好きなミュージカルです。20世紀で10年間、 21世紀で10年間、演じさせていただきました。前回よりも今回と、常に良いものが求められる再演の大変さもありましたが、ひとつの役を追求する時間があり、熟成させ自分のものとして深めていけました。私のイライザ最終公演、集大成を、ぜひ見届けてください」
日本人による、日本語での、初のブロード・ウェイ・ミュージカルとして、1963年に東京宝塚劇場で上演された本作。現在数多く上演される日本のミュージカルの原点ともいえる作品で、「マイ・フェア・レディ」といえば大地真央というほどの当たり役となった。自ら「大親友」と語るほど思い入れのあるイライザを20年も演じてきた彼女だけに、このファイナル公演に寄せる思いは相当のものであろう。
息を飲む美しさ、圧倒的な歌唱力、細部まで徹底的にこだわった役作りで、日本中を魅了し続けた大地真央イライザはこれが見納め。
10月18日(月)から31日(日)まで福岡・博多座、11月2日(火)・3日(水・祝)愛知・中日劇場、11月17日(水)から20日(土)まで東京・JCB HALLにて上演。チケットの一般発売開始は、福岡公演が8月7日(土)、愛知公演が9月24日(金)、東京公演が10月16日(土)より。
(2010年7月25日 読売新聞)
|